成人のお祝いに前撮りをプレゼント

「ACHA Project」という成人式の前撮り(場合によっては後撮り)を、児童養護施設等の出身者にプレゼントする活動があります。2016年から、ご自身も児童養護施設で育った山本昌子さんが開始された活動です。先週、カモミールのボランティア養成講座でも山本さんをお招きして当事者の思いなどをお聞きしました。
【ACHAプロジェクトとは】https://achaproject.org/about.html

カモミールができたのも同じ2016年で、この活動を知った時から、いつか広島で・・と思い続けてきました。ただ、晴れ着を着て写真を撮るというのは協力者がいないとできないことです。今年、多くの方とご縁をいただき、皆様のご理解とご厚意により、本日やっと実現することができました。
18歳で施設を巣立ち、自分の力で生きていかなければいけない子たちにとって、成人のお祝いに振袖を着ることは難しいのが現状です。成人式に行かない子も沢山います。「自分には無理だから」と諦めているという言葉も聞きます。育った環境から突然社会に出て働く。後戻りはできない。まだ分からないことだらけで、不安で、社会に出て精一杯気を張って生きている中で、孤独を感じたり、壁にぶつかったりします。「生きている意味が分からなくなる」というのも、よく聞く言葉の一つです。
自分を大切な存在だと感じてほしいと思いながらサポートしているのですが、それ自体が困難なのです。なぜなら、そのためには自分を大切にされたと感じる体験が必要だからです。

今日、晴れ着を着た2人はとても嬉しそうでした。特別な思い出をつくることができたのではないかと思います。快く協力くださった方々のお陰で、人のあたたかさに溢れた一日になりました。心より感謝を申し上げます。

プランニングオフィスキクチ 菊地永史さん

今回の企画でコーディネーター役を担ってくださいました。私たちの思いを聞いて「それ、福山でもできるんじゃないですか。協力してくださるかもしれない方に声をかけてみましょう。」という菊地さんの一言から、今回のプロジェクトが動き出しました。今日のカメラマンも菊地さんで、声をかけて緊張をほぐしながら自然な表情を撮ってくださいました。本当にありがとうございます。

骨董&ギャラリー喫茶 蔵 牧平さん

日本の文化伝承を大切にされている蔵の牧平さんが、振袖を貸してくださいました。「正絹の着物の良さを若い方にも知ってほしい。着物を好きになってもらいたい。」と福山大学の学生さんに着物を着る機会を提供したこともあるそうです。蔵に何度か訪問し、少しずつ打合せを重ねて、実際に本人たちが袖を通させてもらって着物を選びました。蔵では着物の着付け教室もされていて、袖を通す際は牧平さん自ら合わせてくださいました。今日はかけつけてくださって、本当にありがとうございました。ちなみに、写真には映っていませんが、もう1人が選んだ着物は牧平さんが成人式で着られたものだそうです。その振袖が時を越えて、彼女たちが自分らしく、そして力強く生きるための応援をしてくれるなんて素敵なつながりです。

ヘアーデザインロアール ブライダル部の皆さん

代表の園尾さんが社会貢献や文化の伝承を大切にしておられ、菊地さんのお声掛けで今回ご縁をいただきました。ブライダル部の松岡さん始め、皆さんが今回のプロジェクトに参加した2人の希望を最大限に聞きながら、ヘアメイク・着付けをしてくださったことが何より嬉しかったです。「アップにする?少し横にボリューム出したほうが良い?」「どんなメイクが好きとかある?普段はアイライン使う?」とその場でリクエストを聞きながら、都度確認しながら好みに合うように進めてくださいました。「こんなに変わるんだー!可愛い!」と2人とも凄く喜んでくれました。

撮影に移動する時、車に乗ったり降りたりしましたが、最後まで着崩れせず美しい姿を保っていました。合わせる小物も本人の希望を聞きながら選んでくださいました。着付け方でぐっと雰囲気が変わるものなんですね。

このようなプロジェクトをぜひ継続して提供していきたいと思っています。ご協力いただける方はぜひご連絡ください。直接ボランティア等はできないけど、寄付で応援するよーという方は、下記よりお願いいたします。皆さまのお力が、彼ら彼女らの生きるチカラになります。どうぞよろしくお願いします。

🌟晴れ着プロジェクトへの寄付はこちらから